とり

ラスベガス大火災のとりのレビュー・感想・評価

ラスベガス大火災(2001年製作の映画)
3.3
よくあるB級パニック映画の王道モノとしてそこそこ楽しめました。
内容的には「ラスベガスのホテル大火災」だったし、スケールも小さいし登場人物も少なめで小粒感はどうしても拭えなかったけど。
人物から展開にいたるまで全てが王道なので、あっと驚くほどのものはない変わりに安定してましたねー。
まぁ一つ新鮮味があると言えるのが、逃げ遅れた人の中にテレビカメラマンがいたこと。
ジャーナリスト魂のたまものか下衆な下心からか、パニックに陥る周囲の人々を淡々と全米中継してしまうところが、まぁちょっとしたスパイス?
バーとかで息を飲んでテレビに食い入る人々のリアクションが、面白いほど米国人、超アメリカ~ンなので笑えたり。
その他の登場人物としては一応主人公らしきホテルオーナーのオジサンとその娘。
ちなみにこのおじさん、ジョージ・ブッシュにソックリ。
いざという時真っ先に逃げ出しそうな顔にしか見えませんが、なかなか勇敢で素晴らしいリーダーシップを発揮していて違和感(笑)
ホテル買収を目論む性格の悪そうないかにも悪役顔の男と心根の優しい妻。
カジノで一発当ててスイートルームに宿泊する老夫婦。
ボクシングチャンプと遊び相手のギャル、むりやり付き合わされたギャルの友人女性。
遊びに夢中の両親に部屋に置き去りにされてしまった5歳くらいの少女。子供放置で出歩く親がいるのはどこの世界でも同じっすな。
途中で合流するホテルの従業員2人(エンジニアのおやじとウエイトレス風制服の女性)
逃げ遅れメンバーたったこれだけ。
火災発生が確か25階くらいでスイートルーム階の30・31階以外は人がいないとのこと。
スイートは満室らしいってことだったのに、しかもホテル改築後初日だというのに、この宿泊客の少なさはいったい!
どうしても比べずにはいられない「タワーリング・インフェルノ」とはもうそこから違ってますね。
とまぁ細かいことは気にせずテレビを見つめる米国人の仲間になったつもりでついていく。
誰がどこで死ぬかとか、もうわかりやすいったら。
自業自得ぎみな死に様から、あまりにいい人すぎて神様が連れてっちゃった系まで、お約束すぎて超楽しい。
煙にまかれる場面や狭い空間を通り抜けるシーンはなかなか緊迫感が出ていて、微妙に息苦しく感じられました。
ラストは早々に予想がついてた通りのオチ。
安っちい自己犠牲ドラマもバッチリ!
消防隊長がいまいち無能っぽいっていうか、あんまり一所懸命に見えなかったところが残念。スティーブ・マックィーン並の熱い魂は微塵も感じられませんでした。
あとラストのおまけカットもちょっとわかりづらい。思わず巻き戻してチェックしてしまった。
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