橘

ダゲール街の人々の橘のレビュー・感想・評価

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)
3.6
ダゲール街、ダゲレオタイプが発明された街なのか。
それでラストが、あの一連の記念写真みたいな街の人々。。

「ありのままに映してます」みたいなところが良かったです。
眼差しは温かいかもしれないけど、優しくはないのでそこが「冷徹な観察眼」なのかも。

香水屋さんの妻の表情が固くてあまり喋らないのが特にそう。
夫とお肉買いに店の外にいるときは少しニコニコしてる(この時の夫婦、似てる帽子と黒外套のコーデで素敵だった)けど、お店でほとんど哀しそう。
妻が夕方に外に出たがるのがわからん、って夫は言ってた…「妻はアクセサリー販売のセンスがあったけど辞めちゃった」とも言ってたけど、、、
でもここも、アニエスはナレーションも入れたりせず、ただ映す。こちらが勝手にお話を作ってるだけかもしれないけど、心が痛くなりました。



生活が感じられるドキュメンタリーだと思います。
むやみやたらと、人々がニコニコしてないのがすごく良い。
素敵な暮らしだな、と思うけど、実際こういう街で生活出来るかなと考えると「近すぎる」と思うので、眺めるだけだなぁ。。
幼少期を昭和末期〜平成初期の田舎で過ごしててこの近さは味わったことあるけど、今となってはきびしいです。
橘