爆裂BOX

ドラキュリア III 鮮血の十字架の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.5
闇の力を手に入れたのではないかと疑われたユフィジ神父はヴァンパイアハンターの任を解かれてしまう。しかし、エリザベスを連れ去ったドラキュリアと完全決着をつける為、ユフィジとルークはドラキュリアを追ってルーマニアにやってくるが…というストーリー。
「ドラキュリア」シリーズ三作目にして完結編。監督は一作目から変わらずパトリック・ルシエが務めています。
内戦が起きてNATO軍により戒厳令が敷かれているルーマニアにやって来たユフィジとルークは、ヴァンパイアや反政府軍と遭遇しながら途中であった反政府軍を取材中だった女性レポータージュリアと共に、ドラキュラとエリザベスが潜む古城に辿り着くが、という内容です。内容的に完全に前作「ドラキュリアⅡ」の続編になっているので、前作は見ていた方が良いですね。
ジェイソン・スコット・リー演じるユフィジは今作では神父の任を解かれて、ヴァンパイアハンターとしてドラキュラと決着をつけるべく行動していますが、前作よりもアクション場面増えて主人公という感じ強くなってますね。反政府軍アジトで襲ってくるヴァンパイアたちを鎌で次々切り倒していく所は良かったです。前作でも仄めかされてましたが、身体はヴァンパイア化しながらも太陽の光浴びて人間の心保ち続けているという設定はダークヒーローっぽくて良いですね。
ジェイソン・ロンドン演じるルークも前作から続投で、ユフィジの事あだ名で呼んだりバディ関係になっている所も良かったですね。でも、ヴァンパイアに餌として届けるために村人拉致してるならず者に出くわしたり、道端でうずくまってる女性見つけてユフィジが「止まるな」と言ってるのに止まって助けに行って、ロケットランチャーで車吹っ飛ばされたり反政府軍に捕まったりするバカがつくお人好しぶりはイラっと来る人多そう。
前半で出てくる竹馬に乗って迫ってくる道化師ヴァンパイアや身体切断されても上半身だけで襲ってくる女ヴァンパイアの描写面白かったです。崖を這い降りてくる描写も面白い。後半のドラキュラ城地下でお互いの血を啜りあって吸血乱交状態のヴァンパイアたちのシーンもエロティックな感じ出てていい感じでした。
内戦が起き、NATO軍によって戒厳令下に置かれているルーマニアの荒廃した感じや、串刺しにされて晒しものになってる神父達といった殺伐とした描写も良いですね。
今回ドラキュラは後半になって漸く姿を現しますが、何と俳優がルドガー・ハウアーに変わっています。一応、姿形自在に変えられるという設定語られるしハウアーは流石の存在感見せてくれますが、物語が完全に前作の続きだから前作の役者さんのままの方が良かったんじゃないかなぁと思いました。剣を使ってユフィジと戦い圧倒しますが(ユフィジもラスボスと戦うんだからもうちょっと対策してけよ)、決着はアッサリつきましたね。
どちらかというとドラキュラとの戦いや決着よりユフィジと女性レポータージュリア、ルークとエリザベスの二組のカップルのドラマに重点置かれていたかな。ルークとエリザベスの結末は分かっていたけど悲しく切ないものになりましたな。一時はドラキュラに着きながらもエリザベスは人間の心捨てれなかったんだな。
ラストは新たなヴァンパイアの王誕生で悪は滅びずという無限ループ感じさせるものでしたが、収まりつかない感じはありますね。もう一つのエンディングは平凡過ぎて本編の方がいいけど。
吸血鬼ホラーとしてはまあ楽しめる作品になっていますが、一作目はちゃんとけりもついてたし一作目で終わらしといたほうが良かったかなという気はしますね。