ゾンビおじさん

ヒラリーのアメリカ、民主党の秘密の歴史のゾンビおじさんのレビュー・感想・評価

3.4
2016ゴールデンラズベリー賞最低作品賞・最低監督賞・最低男優賞・最低女優賞の4部門を見事獲得。更にはラジー賞史上初のドキュメンタリーからの最低作品賞という快挙。2016米大統領選中に公開された対米民主党攻撃用映画。ヒラリークリントンと民主党の隠された過去を暴くという名のもとに尾ひれバイアスマックスなヘイトスピーチじみた人格攻撃を展開する。ただの選挙プロパガンダ映画のレベルを凌駕し、ボストンヘラルド紙曰く「プロパガンダと言うにも恥ずかしい映画」とのこと。奴隷制、人種差別、ロシア内通、性的スキャンダル、共産主義的執政一切合切が米民主党の罪状と断じるアクロバティックな論理展開をぜひ見届けよう。アメリカでは論争になっているがなにせ太平洋を隔てた対岸の火事、深夜に放送されている偏りまくった健康食品の通販CMを見るように鼻で笑えること間違いなし。

ちなみに監督兼俳優の人は前回大統領選では「オバマのアメリカ」という同様のドキュメントを撮っており、共和党への不正献金で逮捕歴があるインド系移民。真面目な表情を作ろうとするもどうにも眠たげなすっとぼけた顔になるのが印象的。寝言で喋ってるドキュメントなのかもしれない。まあある意味アメリカン白昼ドリームを夢見続けていると言える映画。