Jun55

アリーガルの夜明けのJun55のレビュー・感想・評価

アリーガルの夜明け(2015年製作の映画)
4.0
IMW2022パート1より。
インドの刑法第377条にまつわる史実に基づいた作品。
この刑法第377条は、イギリス植民地時代に制定された前近代的な法令で、同性同士の性行為を禁止している。(同性婚ではない)
この映画は2015年の作品だが、刑法第377条は、2018年にようやく最高裁で違憲判決がでる。

この映画は商業的成功というよりも、社会問題、人間の内面を深く描いた作品であり、このようなジャンルはインド映画として珍しくない。

LGBTに関するテーマではあるのだが、それよりも、ピュアな心を持つ中年男性の孤独感、抑えきれぬ愛情を描いた作品であり、その難しい役所の主人公を演じたマノージ・バージパイの演技が絶賛されている。

主人公のSiras教授が、若き記者に「Gayと呼ぶのは止めて欲しい」という。それは、性的差別、というよりも、純な感情を、三文字で片付けないで欲しい、と懇願する気持ちからだ。
それは、人間の根源的な意識を問うことであり、LGBT・ジェンダーの問題を考える際に、念頭に置くべきことかもしれない。

“It can’t quite capture the depth of my feelings,” he says.
For him it’s an uncontrollable urge.
If love is a word that needs to be felt and understood instead of being spelt out, the religion, according to him, is not something worth understanding because the minute you start putting your mind to it you will begin questioning your own beliefs and value systems.
“The minute you put your mind to it, your beliefs and value system will disappear,” he says.
Jun55

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