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明けない闇の果てのkaoripeaceのレビュー・感想・評価

明けない闇の果て(2015年製作の映画)
4.0
サダム・フセインがまだ生きていた頃、ザルカウィが自爆テロを企てアメリカ兵を一掃するため奇襲をもたらし始めた。

テロ軍団に受け入れられアメリカ兵を攻撃する姿を撮るジャーナリストの映像がすごいです。
これから自爆するために車に乗り込むテロ組織の一人。
祈るときは思い出してくれ、とどこか穏やかな表情。
そして爆発シーン。
死とはこんなにあっけないものか。


生々しすぎる。
首切りのシーンも、焼け焦げた死体も、大人子供関係なく死体が出てきます。
頭を銃で撃ち放つシーン。
泥棒といいつけて屋上から腕を吊し上げ銃殺するシーン。
これがドキュメンタリーであることを忘れたくなるくらい残酷です。
訳もわからず吐き気と共に涙が出てきます。


今度はアメリカ兵と行動を共にし、激化する戦闘シーンが繰り広げられる。
まるでアメリカン・スナイパーをよりリアルにしたような・・いや、実際リアル(現実)なんだけど信じがたい。

リーダーはつい最近まで会社員だったとか。
普通の人々が戦争によって少しずつ神経をすり減らして行く。

頭から血を長し痙攣しながらも生き長らえるイラク人。
死んでしまえという言葉、処置すらせず放置するアメリカ兵の非情さ。
でもそれは戦争がそうさせるのだと。
見えない自分の扉がひらくのだと。

怒りよりも悲しみが最後、自分の中で広がりました。
首謀者が死んでも尚、悲劇は続いていく。

This is really happening.
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