本作のポスターが、ボビーがデザインしたプライマル・スクリームのライブフライヤーのデザインになっている関連で鑑賞。
また、マルコム・マクダウェルの映画デビュー作品である。本作のマルコム・マクダウェルには、後の「時計仕掛けのオレンジ」のアレックスの雰囲気が漂い始めている。
英国の伝統のあるパブリックスクールに通うミック・トラヴィス(マルコム・マクダウェル)とジョニー・ナイトリーとウォレスは、ほとんどの生徒が厳しい規則や理不尽な上下関係に従順な中でも、反体制的な態度を取り続けていた。彼らは学校内の圧政に対しついに開校五百年の記念日に武装蜂起する。
唐突に映像がモノクロになるので、そこに何か意味があるのかと考えてもなかなか答えが見つからない。本当は意味なんてないのかもしれないけれど、ついつい意味を求めてしまうのが凡人ならではなのかもしれない。
そして、題名が「if….もしも」なので、すべてが現実なのか、もしもの世界なのかもわからない。こちらも題名に惑わされているだけかもしれないけれど。
ハリーポッターの魔法学校のような荘厳さの中に、パブリックスクールの陰湿な内面がじわじわと描かれている。キリスト教の教えを説きながら、国のための戦争を賛美する。上級生が権力を振りかざし、その中でも監督生が圧倒的権力を握る。
戦争に憧憬を持つトラヴィスが「世界を変えるのは武力のみだ」と言うことがこの世界では必然に感じてしまうのが恐ろしい。
ところで、草むらから三人で銃を構えるシーンが「トレインスポッティング」っぽかった。もちろん本作の方が先だけど。そして、トラヴィスという名前が「タクシードライバー」と同じだなと思ったけれど、やっぱり本作の方が先。