Kaoru

フリー・ファイヤーのKaoruのレビュー・感想・評価

フリー・ファイヤー(2016年製作の映画)
3.0
貧乏な人間が一生懸命頑張るのは正直そこまですごいことではないのでは、と思うの。もちのろんですごい人もいる。でも貧乏っていう環境が頑張らせている場合もあって、その人がうんとリッチな家柄に生まれていたらば、しょうもない人になってたかもしれない。頑張る行為はすごいけれど、人間的に志が高いかというと多分全員ではないと思うの。

で、この世で最もすごいと思うのが、いい家柄に生まれてるくせになんだか生きるモチベーションがとてつもなく高くて何か使命感を感じているかのように頑張ってる人だと思うの。いやー。アタシだったら腐る程お金があったらそのお金を一生懸命使うことはできても、一生懸命働いたり無理をしたりきっとしないと思う。宝くじで何十億円も当たったら、ひとまず仕事辞めるってのが素直な一般人の感覚なのではなかろうか。

アーミー・ハマーってオトコは絵に描いたようなイケメンな上に家柄も良く、いや、良いなんてレヴェルじゃないわ。ビジネス才覚に長けてることで有名なユダヤ系で、ひいおじいちゃんが石油王。王よ?自分にも自分の周りにも家系に王(ちょっとその王とは違うけれどw)がいるなんて聞いたことない。生まれながらにしてスーパーリッチなのに、親の意に反して大学を辞めて演技の道へ行き、親とはまた違う人生を自ら選んで進むっていう、イケメン要素しかない人。そんな人、だいたいは演技なんてさせたって大して深い演技ができないのが関の山だけれども、彼は違う。全然違う。綺麗な役も小汚い役も華麗にこなすの。
『君の名前で僕を呼んで』の美しい彼が特に好き。

で、本作。こちらは小汚いほうのアーミー・ハマー。
ドンパチで誰が死ぬの生きるの?みたいな内容で、いろいろと中身はテリボーだけれども、ま、ながら見にはいいんじゃないかしら。
品のある役だけじゃないわ。汚ったない言葉で汚れた役もそつなくこなす彼。

1回は観ておいてもいいかも。
だけれど1回観れば十分かも。
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