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世界の現状のnagashingのレビュー・感想・評価

世界の現状(2007年製作の映画)
3.5
アテネ、空気が淀みすぎてて秒で帰りたくなる。「ブランケット貸し出ししてます」という当節にあって強気すぎる姿勢にもビビる。そして容赦なく席の両隣を埋めてくる映画狂たち。。。左のオッサンふたりがフツーに雑談を始めて、あっというまに3密の環境が整ってしまいツラい。映画はオムニバスなので雑感。

『聡明な人々』アピチャッポン・ウィーラセタクン
葬式っぽい。航跡の中に呑まれていく散骨と献花。犬を中心にした船内の縦構図。船上からの眺望。『フィーバー・ルーム』の船パートを思い出す。

『Germano(邦題失念)』 ヴィセンテ・フェラッツ
つまらない。せめて最後はちゃんと小型漁船のオッサンが大型タンカーに特攻かまして海の藻屑と消えてほしい。

『片道』アイーシャ・アブラハム
ネパール人の出稼ぎ労働者に密着。生活苦と地下の部屋の閉塞感。街に出て画面の人口密度が上がるとまあまあ楽しい。

『暴虐工廠』ワン・ビン
これを観に来た。フレーム外で進行する拷問と処刑。ロングショットの死体処理の即物的な描写がエグい。レコードの逆回転はこのリアリズムの中にあってあきらかに過剰な演出だと思う。

『タルファル』ペドロ・コスタ
不覚にも猛烈な睡魔に襲われる。虎の子エスタロンモカ三錠をモンエナM3で一気呵成に投入するも耐性つきすぎたせいか効果なし。

『上海の夜に落ちて』シャンタル・アケルマン
ムーディー・ブルース「サテンの夜」の上海語?カバーにブチ上がる。デジタルサイネージのボートが少しずつ右にフレームアウトしていき、カメラが少しずつ左にパンしていくのがとてもよい。ヴェイパーウェイヴ(よくわかってないです)の感性にも通じる?都市景観へのまなざし。做可愛的上海人〜
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