とり

アリータ:バトル・エンジェルのとりのレビュー・感想・評価

3.8
原作コミックの銃夢はかなり昔に少し読んで途中で挫折しました。絵柄がちょっと苦手だったから。
そんなニワカの感覚だけど、かなり忠実にビジュアル面が再現されてる感じです。
博士や下界の雰囲気がめっちゃいい。
アリータは見た目も名前も映画のほうが可愛くなってるな。異常なほど目がでっかいのは見てて落ち着かない気分にはなるけど、なんか見てしまう不思議な魅力。漫画的な表現を忠実に再現するとこうなるんだなー。

人物以外ほぼCG、というかアリータもモーションキャプチャによる作り物みたいですが、近未来SF漫画をここまで描けることの凄さ。
背景画が少々昔の書き割りのような質感に感じましたが、わざとでしょうか。平面的で奥行きがちょっと足りないんですよね。

アクションが切れ味抜群でいちいちかっこよかった。漫画的なポージングでぬるぬる動き、スピード感もあるのにちゃんと何をやってるのか見える完成度の高さ。
ただ静と動の差に違和感があります。アクションが終わると途端にもっさり。実写化の限界かも。

脚本はかなり残念でした。続編ありきなのかわかりませんが、特別な盛り上がりもなく何も解決しないまま終わりました。あっけない。
街の不良グループと喧嘩したりボール遊びしたり甘酸っぱくほろ苦い初恋があったり、チョコに夢中になるサイボーグ少女の青春映画なだけ。
しかもその少女が無敵すぎてピンチにならないのはどうなんやと。
メインバトルがパワーボール的な試合シーンなのも物足りない感の原因の一つかな。
試合自体は迫力あって面白かったけど、そういうのを期待してたわけじゃないんだな…。

漫画よりブレードランナーっぽさが出てて、あの界隈お互いに影響し合っていい作品が世代を超えて生まれてくる感じがして、そこはすごく良かったです。
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