MasaichiYaguchi

続・深夜食堂のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

続・深夜食堂(2016年製作の映画)
3.6
観ていると、登場する数々の美味しそうな料理にお腹が鳴ってしまいそうな「深夜食堂」が、お客さんの注文に「あいよ」と応えるマスターと共に帰ってきた。
新宿・ゴールデン街を彷彿させる繁華街の路地裏にあり、深夜0時から朝の7時頃までの深夜にしか営業しない小さな食堂「めしや」。
「めしや」では特段変わった料理はなく、普通の家庭の食卓に出てくる玉子焼き、たこウインナー、オムライス、さんまの塩焼き、ざるそば、すき焼き等が、スクリーンから漂ってくるように感じられる美味しそうな香りと味と共に出てくる。
本作で登場する主な料理は「焼肉定食」、「焼うどん」、そして「豚汁定食」の三つ。
この三つのメニューに因んだ人間ドラマが「めしや」を中心に実力派キャストたちによって展開されていく。
マスター役の小林薫さん、不破万作さん、織田俊樹さん、光石研さん、松重豊さん、オダギリジョーさんらのシリーズのレギュラーメンバーをはじめ、前作に出演した多部未華子さん、余貴美子さん、そして本作ゲストキャストの佐藤浩市さん、河井青葉さん、池松壮亮さん、キムラ緑子さん、小島聖さん、渡辺美佐子さん、井川比佐志さんがドラマを味わい深く彩っていく。
この作品はハリウッド映画や邦画大作のような華やかさや派手さはないが、映画に登場する四季折々の料理のように親しみ深く、心の琴線に触れてくる。
東京の片隅にある深夜食堂「めしや」は、心が疲れていたり、傷ついたりした人々が集って癒される都会の“オアシス”。
そして、此処で美味しい料理とマスターに癒され、救われた人が別の困っている人に手を差し伸べていくという、優しさと温もりの連鎖こそが本作の魅力だと思う。