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山のかなたにのkonomoのレビュー・感想・評価

山のかなたに(2016年製作の映画)
3.5
東京フィルメックスにて。

イスラエルの映画は何本か観たけれど、テーマも登場人物の生活レベルも身上も色々過ぎて、「普通」が読み切れない。まぁ、海外の人がウシジマくんと海よりもまだ深くと葛城事件観てもそう思うよな。そりゃそうだ。

…と言うわけで、これが普通なのかは良く分からないけど、とある家族の話。退役軍人で求職中の父親(自己啓発セミナー行ったり、ネズミ講始めようとしたり結構空回ってる)、高校の国語教師の美人妻、政治的デモに参加したり正しい人であろうと一生懸命な高校生の娘、つかみどころのない高校生の息子、という4人家族の物語。
それぞれがそれぞれの鬱屈から道を踏み外し、でも人生は続いていく。

…え?そのまま続けてっていいの?許されるの?…というのが、観ていて疑問だったり。

差別は良くないよなぁと仲良くしてみたアラブ系の人がテロリストだったり、避難訓練がガスマスク着用だったり、日本とは違うわーというところにへーと思ったり。

少し冷たい感じのする映像はとても美しかったし、台詞も美しかったけれど、なんとなく自分の問題に近づけることのできる何かに欠けていて、遠い国をまんま遠く感じた。
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