開明獣

アクエリアスの開明獣のレビュー・感想・評価

アクエリアス(2016年製作の映画)
3.0
我が尊敬するフィルマーズのお一人、いのさんが絶賛されておられたので。Netflixでは12日の今日までということでしたので、駆け込みぎりぎり間に合いました。いのさん、いつもお世話になっております。この場を借りて感謝します。

やはり映画は劇場で観るべきものだとつくづく再認識。色んな所で繰り返しているが、映画とは一定時間で描写される不可逆性のコンテンツ。ワンタイムごとに入場料を払って鑑賞するのだから、このプロトコルは必然。観た鑑賞者が再鑑賞の必然性を認めて初めてリピートは正当化されるが、最初から再鑑賞を目的として設計するようなものではない。水が液体であるように、映画とはそういうものだ。凍らせて固体となったものはもはや水ではなく氷となり、まったく別物と化す。だから、映画とはテレビシリーズは違う。どちらがいいという問題でもない。

劇場という閉鎖空間で赤の他人と限られた時間を共有しながら鑑賞するからこそ、集中力も増し、作品へのコミットも増す。それは評価の内容とは別の話だ。

この作品も劇場で観ていれば、かなり評価はちがっていたかもしれない。100年ぶりのパンデミックの中、配信は非常に有り難いツールではあるが、逆に改めて映画とはやはり劇場で観るものだということを再認識させてくれたのは皮肉なことであり、怪我の功名であろう。

途切れ途切れ観てしまったのもあるし、テレビでスマホで、とデバイスを変えながら観てしまったのも悪影響だったのかもしれない。一人のぶれない信念をもった女性のストーリーなのだろうが、殆ど響くことなく、エンドロールまで進んでしまった。

唯一、突き刺さったのは、”Tie your mother down”、”Brighton rock”と並んで個人的にクイーンの三大ハード・ロックチューンだと思っている”Fat bottom girls”が劇中で流れたことくらいか?
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