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ブレードランナー 2049のみやびのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.7
やってきました!僕の大好きドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の代表作!
世界に衝撃を与えた『ブレードランナー』の公開から35年、前作に続き「近未来SF映画の金字塔」をもうひとつ打ち立ててしまった。。

ヴィルヌーヴ監督作品『メッセージ』のレビューでも熱く語ってしまったが、本作も本当に好き。


2049年、LA市警のブレードランナーであるK(ライアン・ゴズリング)は、ある事件の捜査中に、人間と人造人間「レプリカント」の社会と自らのアイデンティティを崩壊させかねない事実を知る。

Kが辿り着いた、その謎を解く鍵となる男とは、かつて優秀なブレードランナーとして活躍し、30年間行方不明になっていたデッカード(ハリソン・フォード)だった。

デッカードが命を懸けて守り続けてきた秘密でもあり、世界の秩序を崩壊させ、人類存亡にかかわる真実が明かされようとしている。といった内容。


続編となる本作ではヴィルヌーヴ監督がメガホンを取っているが、前作の監督リドリー・スコットが製作総指揮を務めているので、雰囲気は違うものの、世界観は安心できる。

「前作の30年後」の世界が描かれており、ヘンテコなカタカナや漢字なども前作から踏襲されている。笑


難解とも言われている本作だが、『メッセージ』のように物語自体が複雑という訳ではない。

ただ、前作からの回収や、たくさんのオマージュなどがあるので、かなり見どころは多い。鑑賞後に他の方の考察などを読むと一段と面白くなること請け合い。


なお、前作『ブレードランナー』で描かれた2019年から本作の2049年に至るまでの重要な出来事が、3本のショートフィルムとして製作されているので、それを観ておいた方がより楽しめる。

🔻『ブレードランナー ブラックアウト 2022』
https://youtu.be/MKFREpMeao0

🔻『2036:ネクサス・ドーン』
https://youtu.be/R2tfByG88HQ

🔻『2048:ノーウェア・トゥ・ラン』
https://youtu.be/ELH4Zkvt9-U


ブレードランナーはシリーズを通して「人間の本質とはなんぞや?」というのが、メインテーマではないかと思っている。

それに加え本作では「愛」を大きくフィーチャーしていると感じられた。


主人公のKを演じたライアン・レイノルズがまた、作品の世界観にピッタリで、バッチリと雰囲気がハマっている。


バーチャルな恋人である、「AIホログラム」のジョイ(アナ・デ・アルマス)との恋愛パートがまたよかった。2人ラブラブで。

なんといっても、ジョイが可愛すぎて、健気すぎる。 ←タイプ


僕のタイプの話はさておき、「ホログラムと人がシンクロ」するシーン。

泣いた。。


あれは本当に斬新で、そして切なくて、感動し、涙が出た!(そう感じた方いらっしゃいませんか?🥹)


前作も革新的な映像の連続だったが、今回は、記憶作家などの発想、グラフィック、ガジェット操作など、これまで見たこともないもの、そして近未来に本当にありそうなものが目白押しだった。

アカデミー賞での「撮影賞」と「視覚効果賞」のW受賞も納得。

ロサンゼルス映画批評家協会賞で「美術賞」も獲っているが、光と水を上手く使った照明なども未来感があって美しい。


また、砂をかぶるシーンや巨大な建造物を映す引きのシーンなど、多彩なカメラワークとアングルは、脳をくすぐってくる。


あとね、音ですよ、音!

劇伴はハンス・ジマーとベンジャミン・ウォルフィッシュ。

ハンス・ジマーは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズをはじめ、僕が大好き『インターステラー』などクリストファー・ノーラン監督作品の多くも手掛けているので、間違いない腕前。

本作では、ヴィルヌーヴ監督らしいというか、注文があってか、これでもかといぐらい低音がずっと唸っている。笑

SEはサラウンドが効きまくり、包囲感がすさまじい。


BDやネットフリックスのプレミアムプランであれば「Dolby Atmos」で再生できるので、システムがよければ極上の音質と臨場感が味わえる。

まさに、スピーカーや音場など、音響テストにも使える音源。


ひとつ注文を付けるとしたら、「ストーリー的な時間経過があまりない」ので、ここがもう少し壮大だったら、満点だったかも。。

欲張るなという話だが。笑


リドリー・スコット監督によると、別の角度からの続編で「3作目」を考えているとのことなので、そちらも首を長くして待ちたい。
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