Aika

くたばれ!ヤンキースのAikaのレビュー・感想・評価

くたばれ!ヤンキース(1958年製作の映画)
4.2
スタンリー・ドーネンの作品なのに、むせかえるようなボブ・フォッシーの香りに包まれていた。
ドーネン監督は間違えなくミュージカル映画の巨匠だけど、ボブ・フォッシーの振り付けがあまりに神がかっていて、私の心は数分のダンスシーンに完全にとらわれてしまった。
その魅力は作品を喰らうほど。これぞフォッシースタイル。

ストーリーはファウスト伝説を現代に翻案したものでかなり荒唐無稽。
悪魔の企みで若返った中年男性が、魔女に誘惑されたり様々なトラップを乗り越え本当に大切なものに気づくというもの。

悪魔を演じたのが今作のBW版でトニー賞に輝いたレイ・ウォルストン。舞台から映画へ、同役を演じてくれるのは何より贅沢!
そして魔女役にグウェン・ヴァードン。フォッシーの最後の妻であり、彼の女性の身体の美しさを最大限に活かした振り付けを完璧に魅せてくれるミュージカルスター。
劇中で夫婦でマンボを踊るんだけど、あまりのうまさに作品から浮いてます笑
ふたりとも軟体動物なのに一本だけ細い芯が入っているような何とも人間離れした動き。私は返却期限までそのシーンをエンドレスリピートしてました。あんなの何百回でも見れる…

今年はこの夫婦を描いた作品「Fosse/Verdon」も公開予定。空中三回転半ひねりしたいくらい楽しみ!!できないけど!
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