河

トゥエンティーフォーダラー・アイランド(原題)の河のレビュー・感想・評価

4.0
先住民族から24ドルで買った島がマンハッタンで、スペインポルトガルの帝国主義に対して資本主義の始点としてのオランダ、アムステルダムがあって、そこから入植したオランダ人がニューアムステルダムと名付けた場所が今のニューヨークとなっている。

史実的には24ドル相当のパンなどとの物々交換で得られた土地らしく、それを貨幣換算しているところや、その一部のように働く労働者以外ほとんど人が映らず、あたかも自律的に動いてるような工業地帯のみが映像の主軸になっているところから、24ドルが数百年かけて大規模な工業地帯に成長したような、資本主義が土地に住み着いて生物として育ったような印象があった。

全く動かない摩天楼に対して機械的に動く船や橋、そこから排出される煙がずっと画面に映っていて、それが呼吸のように映像の中で唯一自然的な動きをするのが印象に残った。
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