福福吉吉

ガール・オン・ザ・トレインの福福吉吉のレビュー・感想・評価

4.0
◆あらすじ◆
レイチェルは離婚して以来、アルコールに溺れる毎日だった。そんな彼女は毎朝同じ通勤電車に乗り、車窓からかつての我が家を眺めるのが日課になった。その近くに住む夫婦が理想的に見えて興味を抱いた彼女だったが、車窓からその妻が見知らぬ男と抱き合っている姿を目撃し、衝撃を受ける。彼女はアルコールを今まで以上に常飲し、記憶を失ってしまう。目が覚めると彼女は自身が血まみれであることに気づく。

◆感想◆
アルコール依存症の女性が抜け落ちた記憶の中で複雑な人間関係に絡んでいく姿を描いており、主人公が酒を飲むと記憶を失うという設定がストーリーを複雑にしていて、その中で真実を明らかにしていく面白さがありました。

主人公のレイチェル(エミリー・ブラント)は夫と離婚してアルコール依存症に陥り、電車から住宅を眺めて妄想する毎日を送るというかなり特殊な人物として描かれていて、酒を飲んで記憶を失うため、なかなか彼女を信用しずらかったです。電車からかつての夫・トム(ジャスティン・セロー)と新妻のアナ(レベッカ・ファーガソン)の幸せな様子を眺めるのですが、この心情が分からなかった。彼女の行動原理がどうにも掴めなかった。

そして、レイチェルがもう一つの理想的な夫妻、夫・スコット(ルーク・エヴァンス)と妻・メガン(ヘイリー・ベネット)についてレイチェルが勝手に注視しているだけなんですが、メガンが知らない男と抱き合っている姿を目撃して、レイチェルはスコットやメガンに接近していきます。レイチェルが暴走しているようにしか見えなかったですが、これがストーリーにしっかり絡んでいくので、途中まで訳が分からなくなりました。

しかし、ストーリーが進むにつれて、レイチェルの知る情報に間違いがあることが分かり、ストーリーが一気にほどけていきます。ここでレイチェルへの印象が180度変わるので、とても新鮮で面白いと思いました。レイチェル、トムとアナ、スコットとメガンのそれぞれの関係がしっかり一本の線につながっていく楽しさがありました。

途中まで何を観ているのか分からなくなりましたが、それがゆえに分かったときの解放感が凄まじく、とても面白い作品だと思いました。

鑑賞日:2024年3月18日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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