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ダムネーション 天罰のNNNのレビュー・感想・評価

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)
3.2
宙に連なるリフト、放たれる機械音。カメラはフィックスかと思いきや、ある時点からゆっくりと動きはじめ、窓を通過し、外を見つめる男の後ろ姿を映し出す。このファーストショットを見るに、どういう映画なのかいくらか察しがついてしまい参った。

降りしきる雨、バーの入り口、犬が左から右へと猛スピードで駆け抜けるショットなんぞは初めはカッコええなあと思いながら見ていたので、もうそろそろここらで編集が入ってもいいんじゃないかという地点をやや越えて、引くと手前にじっと男の後ろ姿→中央に車が到着するところまで引き延ばされても、なんとかギリギリ、、って感じしたのだが。

つまりその、この映画、やっぱりショットの終点が気持ち長ぇのよ(長回しだから長いと言っているわけではない)。人物を通り過ぎて、その先にある何かしらの空間やら壁まで撮ってナンボみたいなところあるんだ。

長回しを駆使することにより、画面に緊密さと同時に怠惰なムードを付与すること、狙いがそこにあるとすればうまくはいっているとは思うんだけど(実際にショット撮れているしね)、私なんかはとっくに腹八分目を通り越してお腹いっぱいになっちゃってるわけさ。それでいて人物は身動きひとつしなかったり、何だかよくわからん感じで佇んでいたり、カメラの運動以外の運動がいくらか微弱な気がしないでもない。

ダンスシーンに関しては、あそこだけ撮り方が違うように見えた。管理せずに、むしろラフに撮っているようにさえ見えた。ああいうの不思議だ。
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