ゴリアテの憂鬱

ナンバー・ゼロのゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

ナンバー・ゼロ(1971年製作の映画)
3.4
タイトル、メチャかっこいい。

ユスターシュの祖母であるオデット・ロベールの話を2つのキャメラで撮影したドキュメンタリー作品。

語られるのは、オデットの半生、および彼女の曾祖父母から曾孫たちへいたる、六代にわたる一族の歴史。

もう、上沼恵美子も顔(舌)負けの圧巻の喋りっぷり。

ユスターシュは当時、この作品を映画とみなして良いのかどうか、確信が持てなかったそうです。
なぜなら、この作品に似たものを見つけることができなかったから。

「『ナンバー・ゼロ』を作るつもりはなかった。単に悪に悩まされていて、その悪に対する反応がこの映画だった」とユスターシュは語っています。

そして、この映画で自身のルーツを見つめ直すきっかけになったのかどうかはわかりませんが、この後、『ママと娼婦』『ぼくの小さな恋人たち』という、自身の経験を強く反映させた映画史に残る素晴らしい作品を完成させました。