マンチェスター・バイ・ザ・シーのあかねちんのレビュー・感想・評価

乗り越えられない哀しみはあるしそれを無理に乗り越える必要なんてない。派手さはないし哀しみが多くある映画だが無理して乗り越えようとしなくても、また苦しかったら逃げてしまってもいいんだよと温かく肯定してくれるような繊細なやさしさが溢れる話だった。

成長物語は映画としてよくあるがこれはそう簡単に成長物語と語るには不自然な気もするしなによりも大半が男の哀しみからの感情が抜けて空っぽになったその淡々とした感じからこんなにも辛さが伝わる映画他に私は知らない。

最初はなんでこの男はこんなに淡々と無表情で感情がないような男なんだろう…なんでこんな演技がオスカー取ったんだろうと疑問に思っていたが過去がわかるうちに彼のその苦悩や哀しみからくる表情に観てるこっちも切なくなり特に泣いて謝る元妻の前から立ち去るときは涙が止まらなかった。