no6club

婚約者の友人のno6clubのレビュー・感想・評価

婚約者の友人(2016年製作の映画)
-
めちゃくちゃに良すぎて。最高。ずっと前のめりでみちゃった。
内気なくせにとんでもねえ激情の愛憎劇だった。優しい嘘優しい嘘って…優しい嘘をつきまくって愛で人を試し続けたゴールデンカムイの鶴見中尉がどうなったか覚えとらんのか。もうアンナが月島軍曹に見えてきてつらかったんですが。ハンスの「愛する息子たちを殺したのは敵国の兵士だし、敵国の愛する息子たちを殺したのは我々の息子たちだ。その息子を戦地に送ったのは誰だ。責任は我々親たちにあるぞ」みてえなセリフで鯉登少尉のお父さんを思い出した。「大勢の国民の息子を戦地に送っておいて、自分の子を危険から遠ざけるのは、戦死した子供の親たちに申し訳たたない」と言ってあえて鯉登少尉を危険な任務に向かわせるんだよなあ。全然ハンスとニュアンスは違うが愛する息子を戦地に送ってしまった親っていう立場が同じだからさァ…。つらいよォ…。
アドリアンのしたことってさあ、結局自分しか報われないじゃんって思うんだけど。めちゃくちゃ最低なこと言うと過去にいじめをしていたことを涙ながらに告白する芸能人みたいな。批判を一斉に受けることを覚悟しての罪滅ぼしのつもりだろうけど普通に自慰行為じゃんね…。それで世間が「よく勇気を出して言ってくれたね」って許しちゃったら被害者の気持ちはどうなるのって感じじゃん。なんで当事者の自分が許してないのに部外者が許すの、そしたら許せない自分が悪者みたいじゃんってなるじゃん。アンナはハンスの嘘を受け入れてくれたのに…。アドリアン悪人ではないけど人の気持ちを理解できなさすぎでは…。ファニーだってアンナに気を遣ってるし母だってあの一瞬でアンナの気持ちや目的を理解できてたのに。
no6club

no6club