千年女優

リトル・マーメイドの千年女優のレビュー・感想・評価

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)
3.0
海底王国アトランティカを治める人魚の王トリトンの末娘で、母を失ったために父が接触を禁じる人間界へ強い憧れを抱くアリエル。溺れているところを助けた海辺の王国の王子エリックに心を奪われた彼女が、その恋心をトリトン失墜を企む叔母で魔女のアースラに利用されて王国に危機をもたらしてしまう様を描いたファンタジー映画です。

デンマークの童話をモチーフにした1989年公開のアニメをオスカー作品『シカゴ』の監督で近年は続けてディズニーに携わるロブ・マーシャルで実写化した作品で、ハリー・ベイリーを主演に抜擢するも原作とは異なる人種配置が肯定の一方でネガティブな意見も集め、批評家からはまずまずの評価を得るも興行収入では苦戦を強いられました。

元より異なる出自の二人が障壁を乗り越える物語とあって意欲的な配役も反発からか物語的な挑戦は少なく、アニメ版の「魚を食べる」対立軸すら廃した世界観はお花畑的です。それなら「見た目」で敵役のタコやサメとも仲良くしてもらいたい所ですが、上下左右からの圧力は気の毒で、海中ミュージカルに注力する気持ちも分かる一作です。
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