のすけ

アスファルトののすけのレビュー・感想・評価

アスファルト(2015年製作の映画)
4.0
おんぼろマンションを舞台にした6人の群像劇。
好きだねーこの感じ。イザベル・ユペールが落ちめの女優を演じているのもなんかいい。凄いことは起きないが、なんか浸れる作品。
6人の共通点は皆「1人」だということ。
他人と交わることもなさそうな6人がふとしたことで交わり人生に小さな変化が起きていく。
マンションの住人が皆怖がっていた未知なる音は単なる思い込みで、あんな物の音だった‥。
「アスファルト」と「コンクリート」で言えば、混じり気のない「コンクリート」のほうが硬く強い。
しかし「アスファルト」は排水性があり、「コンクリート」よりも早く固まり車を走らせることができます。
これを人間に例えた作品なのかなと感じた。
6人とも「コンクリート」でありながら「アスファルト」な瞬間を大事にした。
あの未知なる音と同様に、人間は思い込みでによって何も通さない「コンクリート」になる。
でもちょっとの違い、「コンクリート」ではなく「アスファルト」になることで、他人の気持ちを受け入れ、自分を変え、変化への大いなる一歩を踏み出せる。
6人の気になるその後を描かなかった点と、登場人物6人、タイトル、皆が気にしていたプロット(不思議な音)のみで勝手に考察。
でもそう考えると、なんか素適な映画じゃないか。