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白い朝のmajiziのレビュー・感想・評価

白い朝(1965年製作の映画)
3.5
カナダの国立フィルム・ボードが企画した、4ケ国合作オムニバス『思春期』の中の日本篇。

製パン工場の女子寮に住む16歳の少女・アコの日常を描いた、ドキュメンタリー・タッチの短編」


戦後生まれの若者たちの姿。
映像とは別に恋愛観や結婚観の会話や色んな声が雑踏の風景の中に流れていく。
音の入れ方が武満徹の世界。

パン種がこねこねとかき回され、ちぎられ、形成され、ぽんぽん型に入れられる様子が忙しい。

週末には男の子たちと集団デート。
ボーリングしたりカレーを食べたり夜通しドライブ。

まさに思春期における大人への第一歩。
日常のような夢のような、そんな時間を経験していく。

アコちゃんはこの頃の“等身大の女の子”というより、異次元レベルの美貌なので、そこにはなんのリアリティもなし。

けれどそのアンバランスな感じが若さに垣間見える危うさを表現しており、また夢の中の物語のようでした。

朝は正夢、夜は逆夢。
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