#ジオストーム
自然災害を克服するため人類が開発した気象コントロール衛星施設が暴走するディザスター映画。
話の内容や物理考察にツッコミどころばかりだけれど、映像は圧倒的。
■圧倒的大災害描写
本作のいちばんの見所はなんといっても圧倒的な大災害描写です。
公開時割と酷評を目にしたので、劇場スルーしてレンタルで観たけど失敗したと思った。
100億ドル以上の製作費をかけたCG映像は伊達じゃなく、香港/銀座/リオ/モスクワ/ドバイ等、数多くの都市が嵐や津波や熱風で崩壊していく映像に圧倒される。
<以下、ネタバレあり感想>
この映画のストーリーをネタバレされて楽しみが減じたとかそういう現象が起こるとは思えないですが、以下いちおうネタバレです。
■キャラクター
・ジェイク(ジェラルド・バトラー)
衛星システムを開発した天才科学者の主人公。
能力は高いけど上司への態度が悪すぎて左遷される、ハリウッド映画でよく見るキャラクター。
偉い人でもクズだったら暴言吐いたり殴っちゃう人って設定だけど、そんな人物なのに至るところで判断行動が冷静的確すぎるのに違和感。
・マックス(ジム・スタージェス)
ジェイクの弟で政府高官。不仲の兄弟が事故を乗り越えて和解するベタな話。
・サラ・ウィルソン(アビー・コーニッシュ)
いくつかの映画で端役で見かけたな程度の女優さんだけど、本作ではけっこう輝いてた。
カーアクションでの銃撃シーンがめちゃくちゃカッコいい。
・デイナ(ザジー・ビーツ)
デッドプール2のドミノの人。文句ばかり言うけど有能黒人エンジニアっていう割とありがちなキャラ。演技は良かった。
・ウーテ(アレクサンドラ・マリア・ララ)
衛星施設の現司令官女性。感動要素演出担当になってたけど、あの立ち回りで最後主人公とくっつかないのはモヤモヤする。
地球に妻と娘がいる設定が邪魔になってたような。終始ベタな話で進めておきながら、そこはベタにいかないんかという謎。
・アンディ・ガルシア&エド・ハリス
米大統領&国務長官のキャスティングだけやたら豪華。
他の役者には失礼だけれども、画面での存在感がケタ違いなので、確かにアメリカのトップの2人だなっていう説得力はあった。
結末がしょうもないのはまあ...
■都市破壊描写
リオのシーンがとにかく圧巻だった。
寒波で波が凍るとか冷風で人が瞬時に凍るとか、そんなことありえるんかっていう科学考証はさておき、映像の迫力は圧倒的で、まあここだけでも観る価値はある。
日本人としては銀座が雹で崩壊する絵も面白い。看板がちょっとヘンテコ日本だったけど、ハリウッドジャパンにしては割と日本感あった。
香港/ドバイの崩壊も満足度かなり高い。
東日本大震災を経験した日本人からすると、主人公がシステムを止めた瞬間津波がざーって引いていってめでたしめでたしみたいな描写はウソだろ!??感しかないけども。
とはいえ、これらの圧倒的な映像の凄さは認めざるを得ないけれども、こんなに人死んでるのに最後なんかいい話みたいになってんじゃねえよ!ってツッコミどころは酷い。
最終的に、インデペンデンスデイとかあの手の映画みたいに「やったぜ」的なガッツポーズ/拍手/抱擁展開になってるけど、いやお前らアメリカ人は反省しろよ感しかない。
一部の悪人のしでかしたこととはいえ、アメリカ人が原因でこんなことになってるのをアメリカ人とドイツ人が解決する構図で、
ドバイや東京やモスクワが崩壊してんのに、NYや西ヨーロッパの都市は崩壊しないのかよっていうのもイライラする。
非アメリカ人からすると「白人さあ...」ってなってしまう擁護しがたい話だと感じちゃいますね。
【スコア】
★3.0で。
竜巻や津波で崩壊する都市の絵だけだったら5点満点級の迫力ですが、いかんせん話が酷すぎるので3.0くらいで