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ハウス・バウンドのkuuのレビュー・感想・評価

ハウス・バウンド(2014年製作の映画)
3.7
『ハウス・バウンド』
原題 Housebound
製作年 2014年上映時間 107分
映倫区分 PG12
『M3GAN ミーガン』のジェラルド・ジョンストン監督が2014年に手がけた長編第1作で、幽霊屋敷に閉じ込められた少女の運命を描いたニュージーランド製ホラー。

不良少女カイリーはATM強盗の罪で逮捕されて保護観察処分を受け、母親の家に閉じ込められる。
逃げ出すチャンスをうかがうカイリーだったが、家の中で次々と怪奇現象が起こり始める。
母親が前夫と購入したこの家は、実はかつて陰惨な事件が起きた曰く付きの幽霊屋敷だった。

一見平凡やけど、惑わされるほど風変わりな今作品は、お化け屋敷の陳腐さからは最も遠い存在の作品と云える。
今作品はホラーとコメディの間をいとも簡単に行き来し、まるで『サイコ』と『ホーム・アローン』が同じ家で同時に起こっているかのよう。
登場人物たちは時折イライラさせられるけど、おかしな反応を見せるので、実際の反応を表しているかのよう。
最初は好感が持てなかったけど、最後には笑ったり、生き残る可能性を応援したりせずにはいられなくなったかな。
ストーリーは、カイリー・バックネル(モルガナ・オライリー)が強盗未遂に失敗し、自宅謹慎を言い渡されるところから展開する。
彼女の家庭は普通の家庭ではなく、かなり機能不全に陥っている。
彼女のストレスレベルが上がるにつれ、古い家で奇妙なことが起こり始める。
とまぁ、展開があまりに常軌を逸しているため、ある種のパロディ映画でありながら真面目に見ることができるのは新鮮でした。
カイリーは、心の奥底に金色のハートを秘めた反抗的なタイプの問題児で、笑えないような間違った決断ばかりしている。
笑える部分の大半は、彼女の過ちと、彼女とその家族を助けようとする同情的な技術サポート兼オカルト愛好家のエイモス(グレン=ポール・ワル)の様子から生まれる。
映画は確実に動き、ぎこちなく場違いなように見えるかもしれないが、すべてに目的があり、緊張感を高めるためか、単に楽しませるためか、そのどちらかである。
登場人物は陽気に自然体で、時折冒涜的な言葉や過剰なゴシップを口にするが、この一家が近所の片隅にいる奇妙な家族であることは想像に難くない。
冷静になると、とても魅力的な展開が待っていた。
予測可能な恐怖もあるけど、スマートな演出のおかげで効果的でした。
不穏な悪夢のような話から、くだらない自嘲的ジョークやドタバタゴアまで、脚本は見事かな。 個人的には十分な驚きと喜びを与えてくれた。
正反対の恐怖と笑いが互いに助け合い、ホラーのある側面がコメディをより評価できるものにしている。
さらに、いくつかの見事なひねりと彼らの独創的な性格により、キャラ像を知るにつれ、登場人物はより親しみやすくなったかな。
今作品は、
『本を表紙で判断してはいけない』ちゅう格言の完璧な例と云える(今作品は映画やけど)。
爆笑し、息をのむたびに興奮する。
映画を見ていて楽しかった作品のひとつでした。
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