蒼穹ファフナー EXODUSやPSYCHO-PASSシリーズなどで知られる冲方丁が原作脚本を務めたマルドゥックスクランブル三部作の一つ目の作品。死にかけた少女娼婦と彼女を追う者たちの話。
ブレードランナー、攻殻機動隊、PSYCHO-PASS等と同じくハードでサイバーパンクな世界観が特徴的な作品でした。誰もが一度は見たことあるような世界観のため、映像面の斬新性は特になかったです。日本のアニメのCGクオリティはやっぱり低いし、今作の作画もめちゃくちゃ優れているというわけではなかった気がします。ただ主人公がネズミに惚れる下りとかはヘンテコで面白く、喋れないキャラクターをアニメーションの細かな動作で表現していたりするのはなかなか良かったです。
今作はサイバーパンクの割に奥深くない内容だけど、何よりも一番マイナスに感じたのは、娼婦だった少女の自立を促すテーマのくせに、男が格好良く描かれて過ぎていたところでした。自分もオタクだし、あまりこういうことは言いたくありませんが、フェミニズム界隈で二次元が揶揄される一端の理由を今作で垣間見てしまった気がします。このテーマとバロットの初期設定からして、男の描き方やバロットの扱いをもうちょっと慎重に掘り下げるべきでした。全体的には面白かったけど、どこか気持ち悪かったのが否めません。
PSYCHO-PASSの2期目と言い、攻殻機動隊ARISEと言い、冲方丁の脚本はいまいちインパクトに欠けて物足りような。。。今作はまだ一作目なので、次の二作品で面白くなることを期待しています。
