安堵霊タラコフスキー

白鷺の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

白鷺(1958年製作の映画)
4.6
60年前にカンヌでよくわからない特別賞を受賞した作品だけど、中々に雅な印象を覚えるこの作品を無視できない気持ちはわからないでもない。

なんとなく悲劇になりそうな予感は最初からありはしたけど、小津に近い整った撮り方で映された和の世界には目を奪われずにはいられなかった。

特に被写体となる人物らをあえて中心からずらして窓や襖の枠に収めるような多数のカットから感じられる絵画的味わいは絶品で、こういう映像の連続だけでずっと楽しめそうな気がした。

パルムドールを受賞した地獄門も良かったが、同じくらい視覚的に優れていたこの作品ももっと評価されるべきだと思う。