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夜よりも深い闇の堊のレビュー・感想・評価

夜よりも深い闇(1946年製作の映画)
4.4
冒頭の空調から車輪、雨が打ち付ける列車の窓、暖炉の熱で歪む画面、「ワゴン・ホイール・ジョー」と呼ばれたジョゼフ・H・ルイスの演出が極まってる。家から室内に入るカットが地続きなのがそのまま、二階に上がっていく(ここでジジェク射精してそう)。主人公にかかる異様な照明が普通ならそこだけで浮き立ってしまうけれど、ルイスは後ろに執拗に警備員を往復させることで奥行レイヤーと長回しの次元を加えてる。え、これ長回しでやっちゃうの?ってカットが頻出しまくりでとにかく嬉しい。最後には執拗に窓枠をホイール効果のために映されてたこと自体の伏線であるかのように破壊して「映画を見ているわたしたち」の話にする。統合失調症ってSchizophreniaなのね…大岡昇平読んで出直します。
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