千年女優

ぼくは明日、昨日のきみとデートするの千年女優のレビュー・感想・評価

3.0
美大に通う男子学生で、電車内で見かけた福寿愛美に一目惚れをして居ても立っても居られずに声を掛けた南山高寿。「また会えるか」の問いになぜか涙を流した彼女と意気投合して交際を始めた彼が、数々の恋人同士の「はじめて」を経験するも、やがて明かされたふたりのすれ違う運命に思い悩み、それを全うする様を描いた恋愛映画です。

長編映画処女作『ソラニン』以来数々の漫画原作の恋愛劇を手掛ける「キラキラ映画」第一人者の三木孝浩が、七月隆文のライトノベルを映画化した作品で、好感度の高い福士蒼汰と小松菜奈が演じる、かつてのヒット作『いま、会いにゆきます』や同年公開の『君の名は。』にも通じる恋物語が評判になって18億円の興行収入を記録しました。

「時をすれ違う男女」というアイデア成立のための工夫が凝らされていて難しい設定を矛盾なく成立させますが、ひねり過ぎの嫌いはあって愛美に不利な条件のため彼女が高寿を愛している確証は得られません。お互い同じ道程ながら、女性は「秘密とロマン」を、男性は「真相とシナリオ」を意識付けるという対比がどこか示唆深い一作です。
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