このレビューはネタバレを含みます
シリーズ24作目。監督はロボとーちゃんの高橋渉。
なかなか良作だった。
今回は夢がテーマで、主要キャラが一人の少女の悪夢と対峙する話。
題材が夢ということでやはり心理学要素があり、悪夢を作り出すもう一人の自分を受け入れ、トラウマを克服するまでの話。今敏監督のパプリカっぽい。
サキちゃんと父夢彦は、母親を亡くしたことに起因する悪夢から守るために、住民全員のユメルギーを回収しユメミーワールドを形成、ユメルギーは有限なので枯渇すれば街から街へ転々とし、サキちゃんは常に孤独に生きねばならず、友達を作りたくても作れないという重い設定を背負っている。
こういったゲストキャラの掘り下げがしっかりしているので、大崩れすることなくまとまった作品になっている。昨年とは大違いだ。
言わば今作はあっぱれ戦国や雲黒齋のようなゲストキャラが主人公の作品で、サキちゃんを中心に負の感情の受け入れ、しんのすけやネネちゃんとの友情、家族愛が描かれている。
悪夢に苦しむサキちゃんをお助けすると言うしんのすけが超男前。泣ける。
また、ヒロシとみさえも、大人はユメルギーが元々少なく、ユメミーワールドでは通常長くはいられないにもかかわらず、夢彦を止めようと大健闘。
ヒロシはこれまでも結構名場面があるんだけど、ラストにあえてみさえに見せ場を作った珍しい作品とも言える。
母のいないサキちゃんに母の愛を説いたナイスな終わり方。
ボーちゃんがいちいち石になるのおもしろかった。
シリーズベスト5は無理だけどベスト10には入り込んでくる作品でした。