阪本嘉一好子

Seeds of Time(原題)の阪本嘉一好子のレビュー・感想・評価

Seeds of Time(原題)(2013年製作の映画)
4.7
私にとって新しいインフォメーションが詰まった秀作ドキュメンタリー映画だ。『GMO OMG』のドキュメンタリーを観たことがあるなら監督がノルウェーのスバールバル諸島にある種子銀行の一億以上保管された種子の貯蔵庫を訪問したのを覚えているだろう。まさにそれがケアリー・ファウラーさんが永久凍土層に開拓したSvalbard Global Seed Vault と言う名の各国各地から多種の種子を保存する、時代を超越したカプセルなのだ。開発途上国のアクセスの少なさなどなどの批判を後で読んだが、地球温暖化で永久凍土地域が溶けてしまう方が気になる。


この世界の種の救世主『ノアの箱舟』と言われるのような偉業とケアリー・ファウラーが自ら癌と診断されながら世界を飛び回って彼の命をかけた(22歳で癌の宣告、免疫力が強かったと))使命が世界の農民だけでなく、伝統的な食文化や地球温暖化や淘汰され始めていて消滅しそうな作物を保護することになる。他にも将来の危機、例えば、紛争、自然災害、食糧危機なども考えて、今、種子の半永久保存を実践している。

世界に種子保存銀行は幾つもあるらしい。この映画での実例は米国のコロラド州、ロシアの伝統的な種の銀行、これらとお互いに協力を求め合っている。Svalbard Global Seed Vaultは種の本社のような所でバックアップ倉庫でどこのよりも大規模である。。フィリピン(?)の、種の貯蔵庫のように災害によって、崩壊してしてしまうようなことはなさそうだ。


ケアリー・ファウラーがボス(2005 ー 2012)であるグローバル作物多様性トラストGCDT(Global Crop Diversity Trust )への寄付はビルゲイツと遺伝子組み換えのデュポンからも来ているらしい。ケアリー・ファウラーはこれは気候変動のための組織だと、2005年に言っている。


種は人々が交換しあったり、保存した種をまた土地に植えて育てて種を保存しておける。多様な種子保存として考えていた。これは、伝統的なやり方で、Svalbard Global Seed Vaultは革新的な保存の仕方だ。また、将来、これ以上に超越した保存の仕方が出てくるかもしれない。


このドキュメンタリーで興味のある一点に触れる。

ペルーのアンデス山脈の先住民は世界で最も遺伝的多様なじゃがいもを生産していた。地球温暖化で山の中腹でじゃがいもを育てることができなくなり、1500種もに及ぶ多様な食物が死活問題に繋がっていってる。ここ30年の間に、じゃがいもが取れる山が500フィートも高くなってきている。この不安定な気象パターンが多様性を侵食しているため、この分で行くと、じゃがいもが育てられる山がなくなってしまうと。これは、食の問題だけでなく文化を保護できなくなっているということだと。現在、じゃがいもを守ろうということに対してこのコミュニテー(Chawaytireポテトパークは一つになって繋がっていると。 
 
かんばつなどの時、一種類のじゃがいもがダメになると、食べ物がなくなるから多様なじゃがいもが必要になるらしくて、スバールバル諸島にある種子銀行保管庫(Svalbard Global Seed Vault)にじゃがいもの多様性のサンプルを送った。これが初の先住民だとのこと。 

世界の食のシステムを安全に維持することに関心が高まっている。まだある食用作物の多様性をどうすれば維持できるか?これは
ケアリー・ファウラーが考えた革新的な一例だと思う。地球温暖化にどうすれば、この作物の種子保存が適応できるかが課題だと思う。