シトリン

リップヴァンウィンクルの花嫁のシトリンのレビュー・感想・評価

3.0
前半と後半でガラッと変わる映画。
主人公の芯の無さ、軸の無さはそのまま巧く表現されている。

主人公夫婦の話がちょっと長いと思った。
なかなかツッコミどころが多いんだけど、
何故もっと強く言えないのか、誤解と言えないのかとひたすら見せられてイライラする地獄だった。黒木華の演技力のおかげでもある。
夫婦のゴタゴタは後半では忘れるほど繋がって来ないのでもっと端折っても良さそう。

リップヴァンウィンクルの意味がわかり始めた頃から一気に岩井俊二が顔を出し始めたと思う。
洋風の家、メイド、花嫁姿…
クラゲやサソリ。
そしてガチの同性愛までは届かないギリギリの撮り方。
「花とアリス」がフワッと浮かび上がる雰囲気。

葬式のシーンで闇金ウシジマくんで見るメンバー(本物のAV女優たち)を出演させておいて
その後娘の事で「裸なんかで稼ぎやがって」とりりィに言わせるあたりは挑戦的。

黒木華がマネージャーにつられて真白に
「3P頑張った頑張った」って言うところは笑った。

途中闇堕ちするかと思っていたけどラストは大きな声を出せるようになっていたね。
それが良かった。

しかし岩井俊二の力ってなんだろう?
途中、黒木華が蒼井優に見える現象が。

綾野剛に関してはファッションを楽しむ映画である。
あ、ニセ家族バイトやってみたい。
安室さん紹介して。