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イルマ・ヴェップのmajiziのレビュー・感想・評価

イルマ・ヴェップ(1996年製作の映画)
3.5
マギー・チャンに夢中になっちゃった監督の自己満足作品かと思いきや、映画製作の裏側あるあるから芸術映画論についてまで。

フランス人特有の自己主張だらけの現場、役と同化してしまう役者、苦悩してすぐに問題を起こす監督、常に快楽や恋を求め、その裏で様々な思惑で製作に携わるスタッフたち。

サイケでぶつ切り、ゆらゆらなカメラワークと荒い粒子のフィルム、ラストの出来上がった作品のカットの連続は非常に良い。

『吸血ギャング団』のリメイク作品に出演するため香港からフランスへやって来たマギー・チャン(本人役)

フランス語が得意ではないため、なんやかんやとスタッフに振り回されて言われるがままにボンテージスーツに身を包み、よくわからない女盗賊を演じます。

ジャン=ピエール・レオ様が監督役なんだけど、ほんとレオ様出てきた瞬間からずっと可笑しい。
ひたすらマギーにリメイクする熱意を語るんだけど何一つ何を言ってるか不明だし、いかにも妻を殴りそう😂

行き違いになって情報が錯綜してスタッフがオロオロするし、出し抜こうとチャンスを伺う人もいる。こういう個が直ぐに前に来るのってフランスって感じ。
集団で創造しているのに隙あらば俺俺俺俺…
日本についてチラッとコメントが出てきたけど、日本のスタッフは軍隊のように統率が取れていたって言ってたのも納得。

アサイヤス監督はマギーとはこの後結婚するもすぐに離婚。
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