なまくらウォッチメン

不滅の物語 オーソン・ウェルズのなまくらウォッチメンのレビュー・感想・評価

3.5
『フェイク』が現実を虚構に持ち込む話なら、こちらは虚構を現実に持ち込む話
都市伝説を実話にしてみせようと固執するオーソン・ウェルズの富豪役が、まんま虚構の持つ魔力に魅せられる本人役という感じ
当時40歳近いジャンヌ・モローが17歳の娼婦役を演じるのが最大の虚構

オーソン・ウェルズらしいテーマを持った作品だったが、やはり語り口が緩慢なのと台詞回しが遠回しで面白くはない
ライティングは相変わらず素晴らしいが、映像的な面白みもカラー作品では半減してるような
貝殻から聞こえる音色から郷愁を感じるラストが、正に『不滅の物語』で粋