ワシ

スプリング、ハズ、カムのワシのレビュー・感想・評価

スプリング、ハズ、カム(2015年製作の映画)
3.0
本作で脚本を担当してる本田誠人氏は、ワシの地元である宮崎県延岡市の出身。
だからといって面識とか無い。
ただ一度、偶然道ですれ違ったことがある。
その時、ふと目が合って互いに会釈をした。
ほんの一瞬の出来事だったが、少しおどけた様な本田氏の表情が、やけに印象に残っている。

作品が公開された2017年当時、地元でもこの作品が話題となり、それがきっかけでワシは本作の存在を知った。
しかしそのままズルズルと時は流れ、ようやく今になってサブスク鑑賞。

この作品は、とある父娘の部屋探しの1日を描いた、ほのぼの&ほっこりした内容。
普段から割と刺激強めの作品を観る事が多いワシは、こういう日常の出来事を描いた様な作品って滅多に観ない。
何故この作品を観たいと思ったのか、実はよくわかってない。
ふと本作のことを思い出した途端、今観ないでいつ観るんだ!という気持ちになってたんだよね。
なんでなんだろ?
鑑賞中も「あれ?何でコレ観てるんだっけ?」と思ったりした。

それはさておき…
この作品、非常に丁寧な作りだと感じた。
メインの父娘を見守る視点は暖かく、とんでもない事件は起きないし、悪人も出てこない。
父娘が出会う人々は、ホントに居そうだな〜と思う普通の方々ばかり。
何気ない1日だが、そこに父娘のこれまでの暮らしぶりや、亡き母の存在が感じられる味わい深い物語。
じんわり心に染み入る、優しさに溢れた作品だった。

そういえば地元の映画館で本作が上映されたとき、本田誠人氏と主演の柳家喬太郎氏を迎えて舞台挨拶があったんだよなぁ。
あん時観に行っときゃよかったな…なんて、今更ながら思った。

本田氏が亡くなって、今年で4度目の春になります。
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