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ルクリのbackpackerのレビュー・感想・評価

ルクリ(2015年製作の映画)
4.0
余計なものは一切写さない、とても静かな仮想ディストピア映画です。

映画音楽がほぼ動作や会話の音で、始まりから極めて静か。大きなサウンドが入るのは戦闘機と思われる飛行音と、軍のジープやトラックの出現までなし。
キャストの行動範囲は狭く、家(限られたアングルからのみの撮影)と原っぱと森ぐらいしか映されません。

夜、最後のガソリンで家に明かりをつけ、キリスト教的考え、神のアガペや事故犠牲精神に対して、無価値さや懐疑的意見をヤンが言い放つシーンは、否定の反面、何かに許しを求めているように聞こえます。
謎の二人組と共に、暗い森をひたすら進むシーンは、なんとも陰鬱で素晴らしいです。

とても難解な映画ですが、最後の浜辺のシーンは個人的に最高のショットでした。
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