もめん豆腐

葛城事件のもめん豆腐のレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
3.7
邦画のうつ映画○選で挙げられることの多い今作。大変な関心を持って臨んだのに、関心が高すぎたのか、ちょい拍子抜け🫠時系列が軽く前後するつくりは流行りというより、昨今ではこれが当たり前体操の編集なんだね。
三浦友和さん演じる清が非常に気が小さく下らない男なのよ。んでもって既視感アリ。そう、この清「うちの母に少し似てる」。ただし、中華料理店のような言動はしないし家庭内で暴力はふるわない。あ、謎ビンタはされた。それを除けば似ていて、観ながら「よく道を踏み外さずに我慢したな」としみじみ自画自賛したわ。昭和の親世代がよく言う「俺(私)がお前の歳には、もう〜していた」。これって何なんだろうね。あてくしは、あなたとは違うんですよ(参考資料 福田康夫元首相)。
前情報として宅間守がモデルになってる程度にしか知らなかったんだけどラストを観ていて「これって土浦の事件じゃね?」と思ったので観終わってから調べたら、この映画はいくつかの凶悪事件をミックスして作られているそうで。詳しく知りたい方は詳細を書いてる偉い人のブログをご覧くださいな。
全体的に良く出来ていて、こんな両親だと子供が病むの図が、観ていてストレートに伝わってくる。たまに見かける「酷い家庭環境で育っても、それを反面教師にしてちゃんとした大人になった人もいる」って簡単に言う人がいるけど、それは安全地帯からの発言であって、その渦中でもがき苦しんだことのある人ではないんだな。あてくしが道を踏み外さなかったのは、たまたまヤンキーが嫌いで、家出をしたらおかしな大人にいいようにされるであろうと予想できる最低限の知能があったからなんだわ。だからって決して稔を庇っている訳ではないのよ。なんなら殺るなら眼の前のモンスターを殺れよって思う。で、こういう生育歴のある人を生み出さない為に、国はもっと家の中にも他人を踏み込んでいってもいいシステムを作らないと。特にネグレクトと暴力は警察介入を早急にするべき。
閑話休題。観ていて、この次男役を新井浩文さんが演った方がしっくりくるのでは?と思っていた。もちろん長男役もさすがの現実味を漂わせてはいたけど。そうしたらどうやら舞台で次男役を演っていたらしい。この人うまいのに惜しい人を失くしたわ。彼の芝居で強烈に印象に残ったのは公園のベンチに座っているだけのシーン。何回か座っているだけのシーンがあって、特に最後の座っているシーンが目に焼き付いて離れない。ただ座っているだけなのにね。
話は変わって、10年くらい前かな?三浦友和さんのインタビューを読んだ(聞いた)ことがある。「僕はなぜか家庭に恵まれない役ばかりやることが多い。(やらせたくなるんでしょうかね、と書いてあったような気もするけど、ここは定かではないのでカッコ書き)実際には家庭円満です 笑」とのこと。『流星の絆』の頃かな〜。三浦さんも若い頃と雰囲気変わったよな〜。
最後に、これのwikiがないの…🫠なぜ…🫠
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