ATSUSHI

ベビーシッター/CAGEのATSUSHIのレビュー・感想・評価

ベビーシッター/CAGE(2014年製作の映画)
3.6
ウーマン・エンパワーメントmeetsスラッシャーホラー


女性監督ばかりを集めたホラー映画祭(ソスカ姉妹も参戦)で話題を集め、満を持してソフトリリースした一作。

まず本作のファイナルガールが性被害者という点が興味深い。
好きだった男がとんだゲス野郎で、フェラチオしていたところを仲間内で隠し撮りされた挙句、学校中にばら撒かれてしまう。学校の掲示板でもSNSでも心無い中傷の連続。
そんな彼女がハロウィンの夜に予定してたベビーシッターのバイト。ホラー映画なので、もちろん殺人鬼たちが彼女と一家の子供たちに忍び寄る。
子供たちのためにも、自身の汚名を晴らすべく彼女は闘わなくてはならなかった。

『ハロウィン』と酷似する設定、『サプライズ』の動物マスクときてさすがに新鮮さは欠けるが、性被害者として、また殺戮に巻き込まれた被害者としてのダブルミーニングを背負わせる事でヒロインを応援させるように持っていこうとしているのが上手い。近年なんて特にそうだけど、人っていくらでも醜くくなれるもので、一体なぜ助けを求めている人間をここまで攻撃できるのか気が知れない。
いちスラッシャーとしては安定の出来栄え。ラストもまた『ハロウィンⅡ』的な展開を予感させるから監督に是非続編をお願いしたいのだが…