ムーミンの相棒

フル・コンタクトのムーミンの相棒のレビュー・感想・評価

フル・コンタクト(2015年製作の映画)
3.9
戦争映画ではなく、人間がトラウマを乗り越えるまでの精神世界を表現した映画。
監督の説明の通り、三つのパートに別れていてそれぞれ主人公の人間性が異なっている。
1.高飛車、危うい人物
2.恐れ、悲しみを持つ人物
3.愛情、同情を持つ人物

『地雷と少年兵』のように、戦争を"生身の人間の不在"により起こるものであるとこの作品からも感じられたが、それを人と上手く関係を持てない主人公の人格の問題点として描いているため、戦争映画としてそのような見方をすると足りないものがある。
そもそも戦争映画を作りたかったのではなく、現代の問題(バーチャルな人間関係の増加による)を描きたかったということなので、戦争映画として考えようとする自分の見方は見当違いなのはわかっているが、どうしてもドローンという題材を使うのならそこにより焦点を絞って欲しかった。

でも精神世界の描き方は好きで、特にラストは『ウォーリアー』的なカタルシスを感じられてグッときた。また新しい映画に出会えた気がする。