YYamada

ボブという名の猫 幸せのハイタッチのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.7
【実話に基づく傑作映画たち】
 ~事実は小説より奇なり

◆ベースとなった史実
〈幸福を招く猫とともに〉
 ~ホームレスがベストセラー作家に/
  2012年
・場所: 🇬🇧ロンドン
・人物: ジェームズ・ボーエン

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・ロンドンでプロのミュージシャンを目指すジェームズは、夢を果たせず、薬物に依存、家族にも見放され、ホームレスとしてどん底の生活を送っていた。そんな彼のもとに迷い込んできた一匹の野良猫。
・足をケガしていたその猫はボブと命名され、ジェームズはそんなボブを有り金をはたいて看病する。それ以来、いつも一緒に行動をともにするジェームズとボブ。そんな彼らの姿は次第に世間の注目を集めるようになり…。

〈見処〉
①野良猫を助けたつもりが、
救われたのは青年の方だった——
・『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』(原題: A Street Cat Named Bob)は、2016年に製作されたイギリスの伝記映画。
・本作は、ホームレス同然のストリートミュージシャンが一匹の野良猫との出会いによって再生していく姿を描いたジェームズ・ボーエンのベストセラー・ノンフィクション「ボブという名のストリート・キャット」(2012)を『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』のロジャー・スポティスウッド監督のメガホンで映画化したもの。
・主演は『タイタンの戦い』のルーク・トレッダウェイ。
・実在の猫「ボブ」が、映画版でもほとんどの出演シーンを任せられているほか、ジェームズ本人もラストシーンにてカメオ出演している。

②結び…本作の見処は?
◎: 動物愛護のファミリー映画…と思いきや、貧困と薬物中毒の負のスパイラルから抜け出せない青年の葛藤を描くヒューマン・ドラマ映画。乗り越えようともがく青年に対する社会の厳しさをリアルに描写されている。
◎:「彼自身」を演じる茶トラ猫のボブ。「彼目線」の演出シーンはあれど、コミカルやファンタジー描写もない、主人公ジェームズに寄り添うだけの等身大の演出が良い。
○: ホームレスの社会的自立を支援する雑誌「ビッグ・イシュー」が作中に登場。その活動の意義を再確認出来ただけでも、鑑賞して良かった。
▲: ファミリーものとして幼児と見る作品ではない。小学生高学年以上が適正かな?

③本作から得られる「人生の学び」
・「一人ではないこと」が孤独感を遠ざけてくれる。
・「世話をすること」が自分自身を成長させ、挑戦する意志を奮い起たせてくれる。
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