むっしゅたいやき

トーヴァルセンのむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

トーヴァルセン(1949年製作の映画)
3.3
カール・Th・ドライヤー。
ホルンの音色から始まるこの作品は、デンマークの彫刻家、ベルテル・トルヴァルセンの作品紹介映画である。

この作家の、シンプルで白さと優美さの際立つ作品群は、コペンハーゲンのトーヴァルセン美術館に纏められている。
女性の肉体を性的にでは無く、優美且つ温か味の有る物として創造するのがこの作家の特徴である。
個人的な事を書くが、以前私はこの人の作品である事を知らずに、レリーフを購入した事がある。
今も書斎正面に掛かっているのが、本作でも紹介されている『朝の天使』『夜の天使』の二枚である。

扨、本作であるが、冒頭に書いた様に作品紹介映画であり、この作家に興味が無ければ特段面白味の有るものでもない。
ナレーションによって解説が為されるが、飽くまで作品の様態に就いての物であるのが専らであり、トルヴァルセンの思想や志向、伝記を反映した解説でも無い為、やや退屈である。
後の『ゲアトルーズ』のジャケット写真にその影響を認めるのが、精一杯の処であろうか。
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