爆裂BOX

ザ・サンドの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ザ・サンド(2015年製作の映画)
3.4
「ブラッド・ビーチ 血に飢えた白い砂浜(ビデオ題「ブラッド・ビーチ/謎の巨大生物!ギャルまるかじり」)」のリメイクとして製作されてますが、砂浜に怪物が潜んでいて人間が砂浜に引きずり込まれるという設定以外は別物と言っていい作品になっていますね。
若者達が砂浜に集まってバカ騒ぎした翌日、二日酔いに苛まれながら目覚めた男女の一人が砂浜に降り立つと突如悲鳴を上げ、助けようとした男も悲鳴を上げながら砂浜に引きずり込まれてしまい、残された男女6人は車の上や監視台から身動きが取れなくなり、何とか脱出しようとするという内容になっています。
オリジナルでは砂浜に潜む怪物に次々人が喰われていく中、警察の捜査パートや主人公カップルの恋愛ドラマなどが描かれていましたが、今作では砂浜から脱出できなくなった主人公達が脱出しようと試行錯誤繰り返すシュチエーションスリラーの様な展開になっていますね。
冒頭、パーティーにカメラ持ち込んだ男がその様子を撮影しているPOV風の映像が流れますが、主要人物のキャラ紹介以上の意味はなかったですね。撮影してる奴もそのまま冒頭でフェードアウトしちゃうし。皆食われちゃったみたいだけど、阿鼻叫喚の地獄絵図になってただろうに主人公達よく目覚まさなかったな。
主人公達が砂浜から何とか脱出しようと試行錯誤していく様は中々楽しめましたね。サーフボード二枚交互に地面に置いてその上歩いたり、何とかトランクに置いてある携帯取り出そうとして指挟んだり、監視台の手すりで橋作ったりと子供の頃の高鬼や道路の白線の上だけ歩いて、足踏み外したらアウトといったゲーム思わせる所も楽しかったです。
グロ描写は砂の上に倒れこんだ男の顔が喰われて目玉むき出しになってポロリと取れたり、腹を触手でコチョコチョされた男の腹に疱瘡が出来て破裂したりとそれなりにありますが、全部チープさ漂うCGだったのは残念かな。そこはアナログ特殊メイクで表現してほしかった。手摺壊れて砂の上に落ちたミッチの死に様はいい感じにエグさもちょっと感じられただけに特殊メイクだったらもっと良かっただろうな。最初に食われたトップレス女子は悲鳴上げてたと思ったら死ぬシーンもなく退場しましたね。
怪物の全体像は最後まではっきり出ませんが、砂からそうめんみたいなほっそい触手だして砂浜に触れた人間をゆっくり体喰いながら引きずり込みますが、靴はいてたら手出しできないという軟弱ぶり。でも、タイヤをかじってパンクさせたり、地面に置かれたサーフボード動かしていったりと知能ありそうなところも見せてくれます。灰には触れれないという設定は謎だったな。
登場人物の女子たちは常に水着姿でスタイルいいので目の保養になります。こちらの方が「ギャルまるかじり」という感じですね。
ドラム缶にハマってて顔にちんこの落書きされてるデブギルバートの顔アップになる度吹いてしまった(笑)終始ドラム缶にハマった状態で喚いてて、一番苦労してたんじゃないかな(笑)最後の「スポッ!」も笑ってしまいました(笑)途中現れるジェイミー・ケネディ演じるビーチパトロールがマジで無能でポンコツでいら立たせてくれます。
主人公カップルの浮気どうのこうののドラマもありますが、水増し要素でしかなかったな。
最後の展開は折角デカイ触手出した割にはそれほど戦わず暴れず終わって物足りなかったですね。生き残る人選は意外でしたが。
12日間で撮影された低予算作品としてはそれなりに楽しめるモンスターパニック作品でした。