ShinMakita

日本列島のShinMakitaのレビュー・感想・評価

日本列島(1965年製作の映画)
-

☆俺基準スコア:2.5
☆Filmarks基準スコア:3.6





昭和34年。埼玉県内の米軍基地〈キャンプ・スコット〉に赴任したCID課長ポラック中尉は、半年前に起きた米兵死亡事件が気になっていた。神奈川基地に勤めていたCIDリミット曹長が東京湾で死体となって発見された事件だ。死体は米軍が無理矢理警視庁から回収し本国で解剖調査したはずだが、死因すら報告に上がってないという。ポラックから調査を依頼された〈キャンプ・スコット〉通訳官・秋山は、新聞記者・原島から得たネタとリミットの妻・厚子の証言から、リミットを殺した偽ドル製造組織の存在を掴んでいく…




「日本列島」



帝国陸軍の諜報機関が登戸研究所で作っていた偽札・偽造パスポート。使用されていたドイツ製印刷機〈ザンメル〉は、終戦後米軍に接収され、闇組織へと流れた。組織の首謀者は涸沢英三郎という男。秋山は着実に涸沢に近づいていくのだが…という話。主人公・秋山(宇野重吉)の周りで事件が起きすぎる偶然(人間の証明レベル)はちょっと問題なんだけど、終戦後の日本の闇をエンタメとして活写したのはさすが熊井啓と言いたくなります。戦後14年経ってもアメリカには全く手が出せない日本警察の無残な姿にガックリしますね。

宇野重吉の枯れ加減と記者役・二谷英明のエネルギッシュさの対比、涸沢役・大滝秀治の存在感、刑事部長・加藤嘉の熱さなど、脇も含めて名演も見どころ。そして伊集院少佐の娘を演じた芦川いづみの美しさに溜息。秋山の迎える結末にマジ脱力するけど、良かったらぜひ。
ShinMakita

ShinMakita