河

トレジャー オトナタチの贈り物。の河のレビュー・感想・評価

3.8
監督のこの作品のインタビューがYouTubeに上がってたから見た
https://youtu.be/NWZhkPRb-V0

自分役で出てる主役の人が祖父母の宝の話をしてきて、実際に監督と金属探知機持って探しに行って、そのドキュメンタリーを映画にする予定だったけど、途中でフィクションに変更したっていう背景があって、セリフとかもそのドキュメンタリーとして撮られたやつそのまま演じ直してたりするらしい

映画に出てくる迷路みたいな打ち捨てられた庭、革命があって共産主義の支配があってそこから民主主義になってっていう150年近い歴史もあって、その中で実際に暗くなるまで見つからない宝を求めて穴を掘っていた時に、捕らえられて逃げられないような感覚になって、そこから逃げ出すにはどうすればいいかを見つけたかったからフィクションにしたらしい

そういう背景があるから暗闇で穴をひたすら掘る映画で最後はその逆に昼間の太陽で終わったんだなと思ったし、だから宝探しシークエンスがあの長々と続くどう考えても退屈でフラストレーションも貯まる感じになってたんだなと思った

不況でお金のない会社員で、金銭的な自由もなく平日の早抜けにも嘘をつかないといけないしって人がある種の賭けに勝って、株式、しかもドイツのを通して大金を手に入れる、税金もかかる、それを真珠に替えて冒険の成果のように子供に見せて配るっていう、自由を手に入れる冒険譚になっている ただ、共産主義時代までを象徴する庭からも物語始めの状況からも抜け出せてはいるけど、新しく資本主義の構造の中に入っただけって話にもなっているから、カタルシスがそこまでない 最後の太陽も解放感っていうよりは目を刺すような感じがする
河