1930年代のプラハ。
火葬場で働く家族想いの真面目な男が
次第に残忍なファシスト思想に操られ
常軌を逸していく
囚われた思想に取り憑かれ 自身の仕事に
誇りをもつ主人公の狂気が静かに炸裂していく
終盤の薄気味悪さとおぞましさ。
これまで彼を創り上げてきた人生と時代背景、
そして持って生まれた彼の人間性が
絶妙なケミストリーを引き起こし
闇の時代にさらに彼を飲み込んでゆく
丸くて変な髪型、家族をねっとりと
触るいやらしい手つき、
棺の中の遺体の髪に櫛を通し
そのまま自身の髪もさっと撫でつける、
終始穏やかだけど空虚に喋りたおす
洗脳的な怪演がキモチワルイ。
ナチスに傾倒していく主人公の
死を "死" とは捉えない狂気
そこから導かれる彼の迎える運命に
背筋が震えます
苦手なモノクロで意味不明のチェコ語。
睡魔との戦いだったけど アート視点な
カメラワークと主人公の醸す不気味オーラに
目が離せない
2022-48