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ノクターナル・アニマルズのPROKINJRのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
4.5
小説内が全てスーザンの肉片と仮定した場合、これは復讐ではないといえる。

小説の結末から分かる通り、自分の邪悪な肉片(レイ)を撃ち殺し罰を受ける。それは、自分を含めた誰も逃れられない罰

しかしそこには、打ち勝ったという意図も解釈できる。つまり、小説の最後は、希望である。彼女への希望と考えられる。
よって、夢を捨て、子を捨て、彼氏を捨てた彼女への最後の希望を小説で提示し、変わることを望んだ。
小説が導いた結果は、期待に浮かれ哀しい瞳をして待つ彼女。そこには、小説のロマンチックな意図を汲めない母に重なる彼女。

復讐ではなく、彼女に最後の希望を持って送った小説は、伝わることがなく終わったと考えた。
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