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ノクターナル・アニマルズのYYamadaのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
3.7
【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 観客の緊張感を煽る
 ○: 超常現象なし

◆作品名:
ノクターナル・アニマルズ (2016)
◆サスペンスの要素:
・過去の経験と小説との対比

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・アートディーラーとして成功を収めているものの、夫との関係がうまくいかないスーザン。ある日、そんな彼女のもとに、元夫のエドワードから謎めいた小説の原稿が送られてくる。
・原稿を読んだスーザンは、そこに書かれた不穏な物語に次第に不安を覚えていくが…。

〈見処〉
①それは愛なのか、復讐なのか…。
 トム・フォード監督による問題作
・『ノクターナル・アニマルズ』(夜の野獣)は、2016年に製作されたミステリー・サスペンス。1993年の小説『ミステリ原稿』を原作としている。
・監督・脚本は、ダニエルボンドの007シリーズの衣装提供でも有名な世界的ファッションデザイナーのトム・フォードが務めている。
・出演は、エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソンら豪華キャストが顔を揃えている。
・ロサンゼルスの現在のシーン、テキサスの荒涼とした小説シーン、夜のニューヨークの過去のシーンによる、3つの場面が並行して描かれている本作の映像美と難解なストーリーラインは、第73回ヴェネツィア国際映画祭の審査員大賞を獲得するなど、高い評価を受けている。

②結び…本作の見処は?
◎:物語の終着が見えない展開を越え、「えっ、これで終わりなの!?」と唐突にも思えるラストシーンであるが、「捨てられた者の悲哀」と「退廃した現在への再考」を企図する作品本質は理解することが出来、確実な余韻を残す。
○: 作中に登場するアートや衣装の美しさは、監督を務めたファッションデザイナーのトム・フォードの才能によるものと評価。
○: 過去、現在、小説と3つの場面を演じきるエイミー・アダムスとジェイク・ギレンホール。顔に刻まれる皺や佇まいなど、年齢差のある配役を違和感なく演じきる力量はさすが。
▲: アートでありながら、難解なストーリーにて、解説サイトによる復習が必要な作品。才能の塊、トム・フォードのエゴが少々鼻につく。
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