ベイビーが心からいい奴と思えるかというとそうでもないし、殺された奴が屑野郎ばかりかというとそうでもないという、スッキリしない部分はあるけども、音楽や視覚(色使い等)、ちょっとレトロな音楽アイテム(カセットテープやiPod)で全体をポップに仕立てて、テンポも良く、楽しめた。恋人とのくだりがちょっと冗長でダルくも感じたが、実のところはこの映画はクライム＆カーアクションのスパイスをふりかけたポップなラブロマンスなんだろうな。
劇中のセリフに「ボニー＆クライドか？」とあった様に「俺たちに明日はない」などの雰囲気も彷彿とさせ、ということはラストは切ない、やるせない終わり方か？と不吉なものを感じたが、そこはある意味現代的なコンプライアンスに則った終わり方だった。ただ、ずっとベイビーに理解があり、最後にもいいとこ見せたケビン・スペイシーの死だけはちょっとアメリカンニューシネマ的だった。
あと、ジョン・ハムもそんなに嫌な奴じゃなかったのに屑扱いの死に方だったのがなんとも…。ベイビーのせいで恋人が死んだんだからそりゃ復讐もしたくなるだろう。これはちょっとモヤモヤした。ジェイミー・フォックスとジョン・バーンサルは屑だったからまあ良し。ジョン・バーサルはいつもこんな役柄だな。
