kuu

ディストラクション・ベイビーズのkuuのレビュー・感想・評価

4.0
『ディストラクション・ベイビーズ』2016年
日本のアクション・ドラマというよりバイオレンス映画かな。
愛媛の港町の造船所で暮らす泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)
ドツき合いばかりしとる泰良は、ある日、町から忽然と消息をたった。
そんな泰良は松山の中心街に現れ、自分より強そうな相手を見つけては因縁を吹っ掛け、ケンカを売るようになる。
そんなある日、因縁を吹っ掛けられた、って、将に因縁深く有るような裕也(菅田将暉)出会う。
泰良は、裕也と一緒に通行人に無差別に暴行を加え、車を強奪。
その車に乗りあわせていた少女・那奈(小松菜奈)も巻き込んで松山市外へと向かう。。。てな感じですが、

※昔から色んな形でガキ(子供)たちのやり場のない暴力が描かれてきたし、
この作品もまたその系列に連なるものかもしれません。
ガキたちを描く上で欠かせへんのは、恋と性と暴力。
せやけど、この作品は削げるとこをあらかた削ぎ落とし『暴力』のみでガキたちの群像を描いてます。
ですので、理由無き暴力を不快に思われる方にはお薦めは出来ません。
柳楽優、小松菜奈、菅田将暉の演技には脱帽するくらい➰🎩私的にはよかったす!

※ここより、ネタバレに抵触しますので考慮してくださいな🙇‍♂️

暴力、厄災、やり場のあらへん怒り、ほんで、向ける対象を失ってもた怒りってのは、ふっと現れては、子供の心と体を理不尽なまでにも奪っていくねんなぁ。
この虚構てのは現実並みに現実やと、観てる側(小生には)には思うところはありますね。
ガキてのは、小生がそうだったし全てとは云わないまでも、時には社会への反発やクソ苛立ち、あるいは無知(失礼経験不足)ゆえの時代の閉塞感や、はたまたツレ(友)との葛藤や学校のいじめ、同調圧力、組織的(グループの)対立や抗争(知れてるが乱闘かな)、権力への抵抗、あるいは性暴力やPTSDとか、暴力の背景にはホント色んな要因があり、それを様々な物語で描かれてきた。
そないな数ある作品の中にあって、この映画は、繰り返しになるが徹底して暴力ONLYシンプル描写してる。
翻って云うなら、暴力の背景が推測でしか描かれてへん?云いすぎかな?。
しっかり説明は出来ないまでも、小生も似たような行動を取った事があるので、フィクションながら、また、衝動の要因が描けない行動もあるのだと思います。
余談になりますが、ある人の話です、あくまでもある人の。
十代半ば、しょっちゅう家に帰えらずふらふらしたガキがいました。
ある日、フラッと遠くに出掛け、旅した広島で、街を(薬研堀)ブラブラしてた時、風俗のキャッチ(客引き)と揉めてしまい、フルボッコにされ、
痛いだとかはあったそうだけど、腹立つだとかはなく、カプセルホテルに宿泊して二回復讐に行く。
二回ともフルボッコ、三度目は、宇品港って所まで連れてかれ、そこで地回りのヤクザ者(共◯会)がきて、間一髪?運良く?ヤクザ者はキャッチにガキ相手にここまでやる事を叱りつけ、ガキを解放。
ってことがあった!
あったらしいですが、作品と一緒とまでは云わないまでも、泰良が取った行動と似ているところがあると思います。
なんで泰良が拳をブンブンまわすんか?
小生はそれって不条理な行動ってしか説明できません。
それが的確な説明かなぁと。
だから、フィクションでこの作品を作り上げた人たちが、全く無かったとこからこのストーリーを描いたのだとするなら信じにくいかな。
不条理な衝動を描いた作品や話を聞いた等々って云うなら納得出来ます。
作品のプロットは小生からしたら、やけにリアルに感じました。
不条理とは云え、
柳楽優弥演じる芦原泰良は両親が早くにいなくなり、近所のオッサン(でんでん)に育てられ、弟と二人、親族は兄弟のみと云う境遇や、
冒頭、近くの友人たちとの喧嘩が描かれるが、そんな友人たちと確執か?
オッサンとの葛藤等々の要因の積み重ねの上に不条理はあると。
でも、こないトコトンやりよる暴力はまれやけど、やり場のない感情で苦しむガキたちが目の前にいたらほっとけんなぁ。
先に記した様に、先にいく者(目上の者)が後についてくる者(ガキ達)に手だて救済方法(あるなら)を講じてあげなきゃならんのかなぁ。
見て見ぬふりってのは、そこには少なからず、先に行く者から、ついてくる者への暴力ってのが存在すると思います。
仮に、昔、人が新型ウイルスで沢山の死をもを出したとしても、その当時はそのウイルスで死亡することは避けがたい(救済方法がない)ことやったら、暴力とみなすことは困難だ。
せやけどもし、世界中に医学上のあらゆる救済手段が備わってる今日があったなら、人が新型ウイルスで死亡するのは、そこには暴力が存在する。
つまり、目上の者が、苦しむ目下の者に対して何らかの処置が見出だせたなら、それを行動に移さないのは、目上の者から目下の者への流れには暴力は存在しうると思うし、実際に多くの先に行く者が目をつぶり、それを見てる目下の者が見透かす。
そして、また、目下がそれで苦しむ。
故に、現在、小生が出来ることがあれば、手だてを考え行動していきたいかな。
なんて、思ったかな。
言うは易く行うは難しやけど精進shot
🌼
kuu

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